Linux講座にようこそ。このページは「C言語プログラミング入門 - 第2章 データを格納するための変数」です。
ここでは、C言語で変数を使用する際に必要な基本的な約束事を説明します。
人間がちょっと複雑な計算を人手で行うときには、数値をメモ用紙にメモしながら計算を行うことになると思います。この様な計算をプログラムで処理するときのメモ用紙に相当するものが変数になります。変数はプログラムと同様に、コンピュータのメモリー上に確保されて、内容の設定や変更が自由にできます。
プログラミング言語の種類により、変数の使い方は多少異なります。C言語の場合はあらかじめ宣言をしておく必要があります。
C言語で取り扱えるデータは大きくわけると数値と文字になりますが、数値はさらに整数と浮動小数点数になります。整数と浮動小数点数は取り扱うデータの種類により、使い分ける必要があります。例えば、バレーボールのブロック本数を数えるような場合は1本、2本、…のような数えかたになりますので整数になるでしょうし、ブロック得点率を求めるような場合は0.96、0.80のような集計になりますので浮動小数点数になるでしょう。
また、文字も実際には整数値として取り扱っています。つまり、取り扱う全ての文字には整数値が割り当てられており、内部的な文字の処理は、その整数値で行います。各文字に対して、どのような整数値を割り振るかはコード表に従います。C言語では一般にASCIIコード表を採用しています。
変数の宣言は型名あるいはデータ型と呼ぶものと、変数名を指定します。型名には格納するデータの種類を、変数名には変数を識別するための名前を指定します。また、あらかじめ設定したい値が決まっている場合は、初期値として指定することもできます。なお、C言語では変数の宣言はブロックの先頭で行うことになっていますので注意して下さい。
初期値としては整数や浮動小数点数などの値を直接指定できます。例えば、10や3.15のような指定になります。このように記述した値は変更することができませんので、変数に対して定数と呼んでいます。
型名 | 大きさ(表現できる範囲) | 説明 |
---|---|---|
char | 1バイト(-128〜127) | 符号付の最も小さな整数です。通常は半角1文字を扱います。 |
short | 2バイト(-32768〜32767) | 符号付の小さな整数です。 |
int | 4バイト (-2147483648〜2147483647) | 符号付の標準的な整数です。 |
unsigned char | 1バイト(0〜255) | 符号無しの最も小さな整数です。 |
unsigned short | 2バイト(0〜65535) | 符号無しの小さな整数です。 |
unsigned int | 4バイト(0〜4294967295) | 符号無しの標準的な整数です。 |
float | 4バイト (-3.40282×1038〜3.40282×1038) | 小さな浮動小数点数です。(単精度、精度は6桁) |
double | 8バイト (-1.79769×10308〜1.79769×10308) | 標準的な浮動小数点数です。(倍精度、精度は15桁) |
型名により、取り扱える数値の範囲が異なりますので使いわけが必要です。一般に、整数はint型、浮動小数点数はdouble型を使えば問題は少ないでしょう。また、コンピュータの性能も一番引き出せると思います。
char型は整数型の一種ですが、通常は文字を取り扱うときに使用します。コンピュータは文字も数値として取り扱いますので、文字と数値の対応を定義したコード表が必要です。通常、C言語ではASCIIコード表と呼ぶコード表に対応しています。ASCIIコード表については「付録1.ASCIIコード表」をご覧ください。
整数型には符号付きのものと符号無しのものが有ります。符号無しのものは負の値は取り扱えませんので注意してください。また、char、short、intは「signed」を付けてsigned char、signed short、signed intとしてもかまいません。
【表2-1】にあげた型名は代表的なもののみです。今の所はこのくらい認識しておいていただければ充分です。また、「大きさ」はコンピュータやOSの種類により異なることがあります。
この例題は変数の宣言だけしか行っていませんので、実行しても何も表示しません。